3.親戚の叔父さんはこんな感じ / ジェミニのテキサス訛り
そういえば最初の頃、ジェミニのテキサス訛りがすごく可愛く感じて、それが強く印象に残ってます。…何と言うか…全体的にローリングな感じというか…”R”が目立つんですよね。
強いた言い方をすれば、全体的にちょっとレロレロした感じというか…まあなんか、舌ったらずな感じで、すごく可愛かったんだよなぁ…
ワイルドな感じもあるけど、割とローテンポとも言えるから、それこそ、その辺のいかにもニューヨーカーな人の英語なんかより、むしろ全然聞き取りやすかったですし。…さすがに全然知らない言い回しが出てくると「??」ってなりましたけど…w
例えば現地では割とメジャーな表現だったとしても、それが田舎っぽい、砕けた表現だったりすると、その時の僕には知る由がなかったわけです。江田島では…まあ、海軍兵学校ですので、当然徹底的に英語を学ぶわけですけど、先生は英国の方でしたから。むしろきっちりと形式に則ったものでしたので、そういう、ブロークンな表現は現地に行くまで分からないんですよね。例えば…
Ain'tとか。…あれは…二人でメイクルームの片付けと準備をしてたから…午後でしたね…いつも二人になるタイミングがあったんですよ。売店のポップコーンをちょっともらって来たりして、つまみながら作業してて…ちょうど、ウェンデル・ホールの”It Ain't Gonna Rain No Mo”がラジオから聞こえてきたんです。
そのとき、ジェミニがクスッと笑い出して。何が可笑しいのかニヤニヤクスクス笑ってたのが、最後の方は声あげて笑ってたのが印象深いです。Ain'tなんとかって言い方は、すごく地元のおじさんっぽいって教えてくれたっけな。
"It Ain't Gonna Rain No Mo'" (Wendell Hall, 1923)
多分それと、あれはウェンデル・ホールの歌い方のせいだと思うんですけど、途中で急にテンションの上がるノーノーモーノモー♪って歌い方が可笑しくて笑ってたんだと思います。なんかちょっと顔も赤くなって、若干照れ臭そうというか、恥ずかしそうにしてたし、親戚のおじさんが親族の集まりで調子に乗って歌ってる感じにも聞こえてたのかも…w
「ノーノーモーノモーノー♪」ってモノマネしたりして、しばらく気に入ってたみたいでした…w 今にして思えば、そういう…ちょっとカントリーっぽい感じの音楽…っていうのかな…そういうのをきっかけにして、地元の雰囲気を、僕に紹介したいと思ってくれてた節もあったのかな…と、そんな風にも思います。