サクラ大戦V妄想回顧録

夢か現か…思い入れ深く『サクラ大戦』をプレイした結果、そこでの体験がリアルなもう一つの人生経験のように感じている…そういう方々が、実はプレイヤーの中には多々いらっしゃるのではないかと思います。サクラとはそんなミラクルが生じた作品であり、わたくしもそのミラクルにあてられた一人。そんなわたくしが、かつて“太正”時代に“経験”した事を記憶が混濁したまま綴ります。今思い出しているのは1928年以降の紐育の記憶。これは新次郎であり、現代の他人であり…という、人格の混ざった記憶それ自身による、混乱した、妄想回顧録です

同人ゲーム没企画『サクラ大戦 -真夏のイルミネイション-(仮)』(全12話)を公開して / あとがきに代えて

…といったわけで全12話でお届けいたしました、同人ゲーム没企画『サクラ大戦 -真夏のイルミネイション-(仮)』いかがでしたでしょうか。

 

最初は帝劇初期メンから始まり、徐々にメンバーが合流し7話で集結を果たす流れなど、ゲーム上の都合に合わせながらも熱い展開に組み上がったのではないかな、と思います。

 

帝劇を引退した身であるすみれさんを中途半端な扱いにしないことなども実はかなりのこだわりで、そこはすみれさん最愛のわたくしの想いが詰まっているのではないかな、彼女にとっても滅茶苦茶美味しく仕上がっているのではないかな、と思います。

 

またそれらの骨組みは、紅蘭が主演を果たす構成とも一貫することができました。第11話最終盤で彼女に訪ずれる優しくも怒涛の展開も、熱い、熱い、熱い物語に仕上がったのではないかな、と思います。

 

…少々内幕を吐露しますと、実は今回のシナリオ制作、個人持ち出しで三百云万円ほどかかってしまいました。各方面にご迷惑をおかけしながら制作した、渾身の、入魂の、全身全霊の一作となっております。

 

…それだけに、作品として仕上がることがなかったことは、堪えました。それもあって、もう同人的な活動からは身を引こうと思い、当ブログの更新も5年前で一旦一区切りとした次第です。

 

それから何をしていたのかと言いますと、実は一次創作をしていました。とあるSF小説を書いておりまして、皆様にはそちらで改めて出会えたら…と思っております。

 

 

といったわけで、色々と申し上げましたが、本編シナリオ、まだご覧になっていらっしゃらない方は、まずは企画自体の概要を説明している資料集・総合案内から是非…

 

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そして是非とも第1話から順繰りにご覧くださいませ。

 

rbr.hatenablog.jp

 

何分、開発向けシナリオですので読み解きには非常な難を要するとは思いますが、少なくとも、甲斐のある物語に仕上がっているとは思っています。

 

同人…と銘打ってはいるものの、紛れもなく本編サクラに準ずることのできる作品…を目指したシナリオです。当然あかほりテイストを再現することなどは叶いませんが、他に出来得る最高の状態を目指した作品ではあります。

 

たったひと夏の、熱い、熱い、熱い記憶。是非是非あらためてお楽しみくださいませ。

 

 

【第12話(最終話)】真夏のイルミネイション《同人ゲーム没企画『サクラ大戦 -真夏のイルミネイション-(仮)』》

 

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扉絵はAIによるものです。本編シナリオにはAIを使用していません。

 

【第12話(最終話)】真夏のイルミネイション

 

★★第12話(最終話):開始★★

 

ゴゴゴゴゴゴゴ……と禍々しい効果音・音楽とともにフェードでカット表示。原始降魔ヨミを中心にした、幻影の桜吹雪舞う帝都の全景。帝都の西南の端から北東へ向けてのカメラ。芝公園付近から本所のヨミを捉えている。まるで遥か上空から捉えた絵のようだが、画面手前には芝公園付近の建物が存在している。遥か地面が持ち上がっていることを示している。

 

パッとカット切り替え。今度はヨミ側からのカメラ。遥か東海道が持ち上がって、壁のように迫ってきている。

 

パッとカット切り替え。第11話でも使われた、せり出した氏綱ヘッド。

 

氏綱:呵呵呵呵……!!

氏綱:此の世の生命は根絶やされる運命(さだめ)……

氏綱:ようやく我らが地上に顕現するのだ……!

 

ギシャアアアアアア!!という降魔傀の鳴き声とともにカット切り替え。逃げ惑う人々の図。同時に人々の悲鳴も入れること。和光の時計台に取り付いた降魔傀と、それを見上げ周辺でオロオロする人たち。

 

ギシャアアアアアア!!という降魔傀の鳴き声とともにカット切り替え。逃げ惑う人々の図。同時に人々の悲鳴も入れること。雷門に取り付いた降魔傀と、それを見上げ周辺でオロオロする人たち。

 

ドサッ!という音とともにパッとカット切り替え。内股で地面に膝をついたさくら……の、腹から下。だらんと垂らした両腕も見える。一瞬表示した後、すぐフェードでカット切り替え。そのさくらの上半身。ひとしきりボロ泣いて放心状態。

 

さくら:紅蘭……

 

フェード(フェードアウト&フェードイン)でカット切り替え。アイリスを抱き上げたカンナが、カメラ(紅蘭が消えたイルミくんがある場所の方向)に背を向けている。カンナに抱き上げられたアイリスはカンナの背中側に身体の正面が来ているので、泣き叫んでいる状態がよくわかる。

 

アイリス:うう……! 紅蘭……!!

 

ガショ……!という踵を返す靴音とともにパッとカット切り替え。カンナ同様にイルミくんに背を向けた大神。これ以上ない慚愧の表情。背後には膝をついたさくらが見える。

 

大神:すみれくん、砒霜はまだ使えるな?

すみれ:ええ……ですが……

大神:ひとまず、逃げ遅れている人々を救助する。

すみれ:中尉……!

大神:蒸機に乗ってくれ。

すみれ:中尉!

 

パッとカット切り替え。大神を睨むすみれ。第11話で使用したカットと同角度で、今度は前を向いているバージョン。泣きはらした顔を無理やり拭ったような様子。

 

すみれ:どうか冷静に……!

すみれ:今や帝都の空間そのものが滅茶苦茶になっていますわ。

すみれ:この状態をどうにかしなければ……

すみれ:人々を救うことはできませんわ……!

すみれ:もう一度あの切り札を発動すれば……

レニ:装置が壊れてる……

 

フェードでカット切り替え。イルミくんに手を当てて調べているレニ。

 

レニ:イルミくんも……観測盤もダメだ……

すみれ:……

 

ドオオオオオオオオオオン!!と激しい音。

 

フェードでカット切り替え。カンナに殴られて大きく陥没した瓦礫。一瞬表示したあと……

 

ポロポロ……とイシツブテの崩れる音とともにフェードでカット切り替え。カンナの後ろ姿。下ろした左手から血が流れている。すぐ横にはカンナに殴られて大きく陥没した瓦礫。霊力の効果でかめはめ波ぐらいの威力があるので、ド派手にしっかり陥没させること。右腕で抱かれたアイリスは、そんなカンナの頭を抱きしめるようにしている。

 

アイリス:カンナぁ……! うぇ……カンナぁ……

 

フェードでカット切り替え。大神の表情をアップで捉えるカット。カンナとアイリスの様子を見て、あまりの痛ましい様子に絶句している。男泣き寸前。

 

大神:……

 

一拍置いて……

 

パッとカット切り替え。遂に地面にくずおれたさくら。顔がうつむいていて表情がほとんどわからない。右腕で、荒鷹を手繰り寄せてはいる。

 

パッとカット切り替え。泣きはらした織姫の顔をアップで。髪の毛が一部顔に張り付いている。さくら同様ひとしきりボロ泣いて放心状態。

 

パッとカット切り替え。マリアの頭付近をアップで。第11話と同様のアングルだが、今度は画面……花組のみんなにも背を向けている。

 

パッとカット切り替え。花組全員の状態を引きのカメラで。しばし表示して……

 

パッと暗転。そして……

 

パッとタイトル表示。『最終話 真夏のイルミネイション』

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【第11話】妖怪道五十三次《同人ゲーム没企画『サクラ大戦 -真夏のイルミネイション-(仮)』》

 

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扉絵はAIによるものです。本編シナリオにはAIを使用していません。

 

【第11話】妖怪道五十三次

 

★★第11話:開始★★

 

コオオオオオ……上空であるため吹きすさぶ風の音……しばらく流した後……

 

パッとカット表示。第10話ラストの、百鬼連&氏綱のカット。

 

氏綱:儂はこの偽りの都の全てを滅ぼすモノだ。

氏綱:些細な……ほんの小さな犠牲によってな。

 

ガシィ!という音とともにウィグル(画面揺れ)を伴ってパッとカット切り替え。カンナ機暴れる。

 

カンナ:おいてめえ……!!(これでもかという怒気)

カンナ:氏綱だか魔人だか知らねえが、稗田(ひえだ)のおっさんよ……!

カンナ:御託を並べてやがるが、つまりはこういうこったよな……

 

フェード(フェードアウト&フェードイン)でカット切り替え。カンナ機コックピット。怒髪天カンナ。

 

カンナ:あんたは……あたいらを騙してた……

カンナ:裏切りやがったんだ!!

氏綱:呵呵…… 土虫の視野とは、かほどに狭量か……

氏綱:何という蒙昧さ。このようなものどもが……

 

ガシィ!再びカンナ機暴れる。パッとカット切り替え。

 

カンナ:あたいにはそれで十分なんだよ!!

氏綱:それでどうする? 其方(そなた)らに出来事を変える力は無い。

カンナ:あんたは降魔なんだろ!? その面はどうみてもな!!

カンナ:どうして降魔が妖怪を縛り付けてやがんだ!?

 

フェードでカット切り替え。百鬼連&稗田のカットの、百鬼連部分のクローズアップ。

 

氏綱:其奴らは『妖怪』などでは無い。

 

カンナ:何……?

氏綱:呵呵…… 諸君らは本当に『妖怪変化』が化け出たと? そう思うたのか?

氏綱:人間の思いつきによって創られた、夢想の産物が。

アイリス:……

すみれ:どういうことですの……?

 

ギギ……と身じろぎする音と共に、パッとカット切り替え。苦しみながらも、稗田を睨む迦具土(かぐつち)の表情をアップで捉えたカット。

 

迦具土:そうだ……貴様の言う通り……我らは……妖怪などではない!

迦具土:復活したのだ……! 偉大なる……火の一族が!!

氏綱:ククク呵呵呵呵呵呵呵呵!!

 

フェードでカット切り替え。迦具土を見下す氏綱の表情を煽りでクローズアップ。笑い声とは裏腹に全く笑っていない表情。

 

氏綱:なんと!! なんという滑稽さよ!!

氏綱:確かに其奴らは妖怪でもなければ、火の一族でもない。

氏綱:それはお前も同じだ。妖怪の大将よ。

迦具土:……なに……?

 

フェードでカット切り替え。氏綱の全身を正面から捉えたカット。氏綱はやや頭を向かって左下に傾け、突き出た後頭部の降魔ヘッドがよく見えるようになっている。降魔ヘッドは氏綱が喋るとき、同時に口を開けパクパクしている。

 

氏綱:諸君らは遥か昔に忘れ去ったのだ。自分たちのことを。

氏綱:だからこそ伝承を誤解した。

氏綱:……火の一族、根の一族などと……

氏綱:勝手に火と根だと思うておる。だが……

氏綱:それこそが大きな間違いだ。

氏綱:そもそもは大和言葉、仮名文字であるということを忘れておる。

 

フェードでカット切り替え。ヒの一族とネの一族の戦闘の絵巻物。第7話で使用した九条家文書の絵巻物の一枚。下手側が人間、ヒの一族、上手側がネの一族。

 

氏綱:ヒ と ネ。ヒの一族と、ネの一族。

氏綱:ヒとは卑しき『卑』の字が由来……諸君らは卑しき『卑の一族』……そして……

氏綱:ネとは『神』……神の申し子のこと……我らはネの一族、神の一族なのだ!

 

フェードでカット切り替え。大神の顔をアップで。唖然とした顔。尚、コックピットハッチが開けられているので、現在大神はむき出し。首を触手に捕まれ、外気にさらされている。

 

氏綱:つまるところ諸君らは、自分たちが何者であるのかも忘れておるのだ……

 

パッとカット切り替え。再び迦具土の顔。迦具土は驚愕と絶望の表情。

 

氏綱:諸君らはヒトであろう? 卑しき徒(ともがら)。卑徒(ひと)なのだよ。

迦具土:……

迦具土:……そんな……

迦具土:……はずが……

 

ギギ……と言う音とともに、フェードでカット切り替え。御婢子狐(おぼこぎつね)ナメの氏綱カット。画面手前に御婢子狐。向こう側に氏綱が見えている。ピントは御婢子狐に合っている。御婢子狐は目を閉じ、苦しみの表情。

 

氏綱:時の流れの前に真実は朽ち、旧い記憶は忘れ去られたのだ。

すみれ:旧い記憶……?

 

フッと画像のピントを変更。画面手前の御婢子狐から、画面奥側の氏綱にピントが合う。

 

氏綱:今日でこそ、地上に居る生物は我が世の春を謳歌しておる。

氏綱:だが……

氏綱:地上を蹂躙する、諸君ら人間……ヒの一族を始めとする畜生どもとは違う生命……

氏綱:地上の生物とは、根本的に違う生命が存在するのだ。

 

パッとカット切り替え。先程の氏綱の顔をアップで捉えたカット。笑っていない。

 

氏綱:此の世でなく……彼の世にな。

紅蘭:……彼の世……

氏綱:我らは根本的に相容れぬ存在。諸君らが忘れた旧きものよ。

 

フェードでカット切り替え。京都の戦士たちが黒い塊と戦っている。ここは絵巻物風ではなく、実際の映像。黒い塊は不定形のオーラのようで、どうやら脚が何本もある模様。

 

氏綱:そも、京の守護者どもは何者と戦っておったのか……

氏綱:娘よ、砒霜などを持ち出しておきながら、それは解らなんだか。

すみれ:……

氏綱:あるいは最早、当人どもも覚えておらぬか。

 

フェードでカット切り替え。先ほどのカットの黒い塊の顔……的な部分をアップで表示。妖蟲が顔を見せたカット。蜘蛛のように多数の目がある。

 

氏綱:『妖蟲』……道理の通じぬ蟲ども……

氏綱:それが京に現れる、彼の世の生命のひとつ……

すみれ:……蟲……

 

氏綱:京の守護者どもはその妖蟲の侵入を防ぐ防人。

氏綱:碁盤の目は、そこの娘が用いる祈祷盤と同じ呪い(まじない)よ。

氏綱:そして……

 

フェードでカット切り替え。百鬼連四人のカット。

 

氏綱:諸君らが妖怪変化だと思うておる其奴ら……

氏綱:愚かなる百鬼夜行こそが……

氏綱:『屍鬼』……実体を持たぬ亡魂。

紅蘭:……シキ……?

レニ:……実体のない……亡魂……

 

フェードでカット切り替え。暗黒の生命系統樹が示される。諸星大二郎『妖怪ハンター』のものを参考にした系統樹。アメーバから人間へと進化してきた系統がある横で、全く違う、流れになっていない生命系統樹が存在する。縦長で上から下へとジワパンする。

 

氏綱:彼の世には三つの種族が居る……

氏綱:『屍鬼』『妖蟲』そして我ら『降魔』……

氏綱:我らはその全員がネの一族、神の一族なのだ!

氏綱:諸君らの物言いに於いては“非生物”の種族……

氏綱:地上の生物によって、遥か太古に彼の世に追いやられた生命だ……

氏綱:諸君らは我らを疎んじ、遠ざけたが……

氏綱:神として崇めることで、我らの怒りを……そして自らの罪を鎮めようとした……

大神:……

氏綱:何が……

 

フェードでカット切り替え。氏綱の顔アップ。

 

氏綱:何が“非生物”か……!

氏綱:我らにとってみれば……諸君らこそが“非生物”よ……!

氏綱:諸君らは我らを擬似生命体と認じ、地の底に追いやったのだ……!

レニ:……地の底の……非生物……

 

フェードでカット切り替え。地獄絵図。『屍鬼』『妖蟲』『降魔』が争い合う様子。屍体が山のように重なり、その先に光がある。右下が地面、左上が天、という風に角度のついた風景画にすること。異常性を演出。『降魔』はあの世においては、より植物ライクな形態をしている。諸星大二郎の『ヒルコ』を参考に菌類のようなネバネバ網状態な見た目。原始降魔ヨミの一部でもある。『妖蟲』はヒルコに触覚や複眼がついたような、何か蜘蛛状の黒い塊。『屍鬼』は単純な黒いオーブの集合体のようなもの。ジャック・カービィ式の黒い斑点をオマージュ。(Jack Kirby dot で検索のこと)※降魔以外は後々どうとでもできるようにしておきたいので、あくまでイメージ図的な調子にして、誤魔化したい。

 

氏綱:狂える蟲ども……そして亡魂……

氏綱:奴らと我らは互いを喰い争いながら、地上への顕現を目指してきた……!

 

フッとフェードで絵の中の光のある箇所へややクローズアップする。

 

氏綱:そして我ら降魔が遂に大いなる入り口を見付けたのだ。

氏綱:政情不安定なるこの時代……

氏綱:人々の無意識の恐怖が凝結する……

氏綱:この、時代の裂け目に。

 

白フェードアウト。

 

水虎(すいこ):そんな……話は……

 

フェードでカット表示。水虎の顔のアップ。苦しみに顔を歪めながらも、気炎を吐き、牙を剝く(比喩)水虎。

 

水虎:信じらんないね……

氏綱:ほう。口が減らぬの……

 

パッとカット切り替え。御婢子狐の顔のアップ。水虎と同様、苦しみながらも、怒りの表情でキッ!と氏綱を睨みつける。

 

御婢子狐:そいつの言う通りだ……

御婢子狐:アタシにそんな記憶はない……!

 

氏綱:ククク呵呵呵呵呵……!!

氏綱:それこそが低級なる屍鬼の証!

氏綱:諸君らは地上に匂い出た奴らの悪臭よ!!

御婢子狐:……なにを……言っている……!(多分に怒気を孕んで)

氏綱:お前たちは単なる端切れなのだ。

氏綱:低級なる屍鬼が、地上において偽りの形を持っただけモノに過ぎん……

御婢子狐:……

 

フェードでカット切り替え。怨霊のイメージカット。座敷童的なもので、あまり怖くなりすぎないように。

 

氏綱:実体を持たぬ魂たるお前たち、屍鬼どもは……

氏綱:地上に於いては幽鬼となるざるを得ん……

氏綱:怪異とは……人間どもの思念、あるいは無意識と……

氏綱:低級なる屍鬼が結びついた物なのだ。

御婢子狐:……

 

フェードでカット切り替え。イメージ図。あの世から漏れ出た降魔、妖蟲、屍鬼たちが、地上世界でそれぞれの形態に変わっていくイメージ図。彼の世においての降魔たちの姿は、前述の何か黒い塊みたいな形態で。

 

氏綱:我らが地上に現れ出でるには、そのままの状態ではおれぬ……

氏綱:彼の世のモノたちは、地上にのさばる人間どもの悪念を通じてしか存在できぬのだ。

 

氏綱:我ら降魔も同様だ。

氏綱:低級の存在であれば否応無く。高位の存在であっても影響は免れぬ。

氏綱:それが我ら、彼の世の存在の呪い……

氏綱:一度(ひとたび)地上に出たならば……

氏綱:妖蟲どもは気が狂い、屍鬼どもは我を忘れ、我ら降魔は肉体、つまりは時間に支配される。

 

フェードでカット切り替え。これまで出てきた妖怪や怪異を集合させたショット。

 

氏綱:お前たち屍鬼は、人間の畏れに感応する。人間どもが畏れる異形そのものとなるのだ。

氏綱:創作妖怪が此の世に顕現する、これがその仕組み。

御婢子狐:アタイらは……

御婢子狐:つまり……

氏綱:地上の呪いは忌々しいが、幸い人の世は、げに操作しやすい。

 

フェードでカット切り替え。クダンのカット。クダンの顔を正面から大写しに。

 

氏綱:世情がグラつけば怪奇譚が流行る。妖怪変化の噂を何者かが始めれば……

氏綱:人の世は不安と恐怖に無意識に支配される。

 

フェードでカット切り替え。先程の御婢子狐の表情を大写しにしたカット。身体は正面を向いているが、首を曲げて、目線は斜め上に向かっている。上手側、右上側を見るようにする。視線の先には氏綱。

 

御婢子狐:なら……アタイらは……

水虎:姐さん……聞くな……!

御婢子狐:記憶がないのは……

水虎:姐さん!!

氏綱:造られたからだ。人の無意識によってな。

 

一瞬の間ののち……

 

御婢子狐:……

水虎:姐さん……!

御婢子狐:……ぁぁ……

 

チリッと火の粉エフェクトが舞う。

 

御婢子狐:……ぁぁぁぁぁぁ……

 

ボウッ!と炎エフェクト、カッ!と怒りの形相となる御婢子狐。

 

御婢子狐:あああああああああああ!!

 

氏綱:そうだ燃え上がるが良い!! それこそがお前の役割だ。

 

フェードでカット切り替え。迦具土の表情を捉えたカット。

 

迦具土:私は……妖怪ではない……

氏綱:左様。俗世の証、土の象徴は下賤なる人間であれば誰でも良い。

氏綱:貴様でなくても良かったのだ。

氏綱:必要だったのは、横におる神よ。のう、是害坊(ぜがいぼう)?

 

フェードでカット切り替え。是害坊の表情を捉えたカット。

 

是害坊:オオオオォォォ……

カンナ:神……?

氏綱:其奴は迦楼羅天……遥々大陸よりこの日の本に渡って来た渡鴉よ!(愉快でたまらないという調子)

氏綱:概念だけの存在であった其奴を……

氏綱:比叡山にてこの儂が地上に顕現せしめたのだ。

 

比叡山でのカット。戦国時代の様子。パッとカット切り替え。第6話の『血の海の中でやや俯き、呆然と佇む稗田。恐怖に凝り固まった表情をしている』カットを表示。

 

氏綱:僧侶どもを贄とし、その畏れと屍鬼を結びつけた。

大神:……では……あの話は……

氏綱:嘘ではない。是害坊を解放したのは真実だ。

 

パッとカット切り替え。第6話の『稗田の顔に近づく。瞳に仲間たちの手足が写っている。とはいえ、まだ小さい。』カット。なのだが、第6話の状態からは変化がある。顔中に返り血を浴びている。

 

フェードでカット差分切り替え。第6話のカットにさらに変化が生じる。稗田の口元がニヤリと笑う。

 

パッとカット切り替え。『さらに稗田の瞳に近づく。瞳に映った仲間たちの手足の様子が、はっきりわかるようになる。』カットを表示。

 

氏綱:数百年昔のことではあるがな……

 

フェードでカット切り替え。迦具土。力ない表情をしている。

 

迦具土:……

 

氏綱:天笠よ……まだ解せぬか!!

氏綱:貴様ら天笠は、そも大陸出の一族。

氏綱:儂が殺した僧侶どもの生き残りだ。

氏綱:京極慶吾が其方の弟を重用したのも、守護神たる迦楼羅天の力を見込んでのこと。

迦具土:……

 

ギギギ……という音とともにカット切り替え。是害坊が締め上げられる。是害坊、苦痛に呻く。

 

氏綱:その是害坊が言葉を発せなんだは、常に呪殺を防御しておったが故よ。

氏綱:貴様は我が分身により、常に強力なる呪殺魔術に脅かされておったからの。

 

フ……フ……フ……と三連モンタージュカット。百鬼連のアジトでクダンと向かい合う迦具土。第2話冒頭、迦具土に跪き、視線を送る是害坊。第10話での是害坊から黒いオーラが抜けるショット。

 

迦具土:……是害坊……

 

ドシュ!!という音と共にパッとカット切り替え。新たに触手によって刺される是害坊。苦痛に呻く。

 

是害坊:グオオオォォォォ……!

氏綱:最も、それも運命の内……

迦具土:やめろ……!!

氏綱:その“神”もまた、儂によって創られたのだからな!!

氏綱:五百有余年分の信仰を、力に換える存在として!!

氏綱:律儀にも人間どもを守護しようとは……

迦具土:……怪物め……!

氏綱:呵呵…… 百鬼連の大将。

カンナ:……(怒り)

 

フェードアウト。一旦暗転。

 

氏綱:そして時機が来るのを、儂は待った。

氏綱:いや……狙い出て来たというべきか……

氏綱:彼方の世では、我らは肉体……そして時間とは無縁の存在故、な……

 

モンタージュカット。百鬼連の行進、蒸気撤廃デモ行進やオシロ製菓のおまけをたしなめる親子の様子。

 

氏綱:人の世の畏れ……無意識の不安が凝結する格好の時機を見定めたのだ……!!

 

フェードでカット切り替え。氏綱のカットに。全身像。

 

氏綱:そして今……時は満ちた。

氏綱:来たるべき破滅への恐怖に、人の世の無意識が収束する……!!

 

ドン!という音とともにさっとカメラを引き、再び氏綱と百鬼連を同時に捉えたショットに。

 

氏綱:この時代、この帝都に……!!

氏綱:元素《エレメント》が凝結するのだ……!!

氏綱:お前たちは重要なる役割を持った駒であり、儀式のための傀儡。

氏綱:四大(しだい)元素の抽出役よ!!

 

フェードでカット切り替え。第10話終盤でコックピットを開けられたままの紅蘭のカット。表情のみ差分。緊張の面持ち。

 

紅蘭:……

氏綱:必要だったのは四つの元素、四つの生贄、そして扉の存在……!

 

フェードでカット切り替え。氏綱の表情クローズアップ。狂気(歓喜)の笑み。

 

氏綱:儂はこの手で、路を啓く!

氏綱:此の世と、彼の世に、径路(パス)を啓き……

氏綱:此の世と、彼の世を、繋げるのだ!!

 

フェードでカット切り替え。再びコックピットを開けられたままの紅蘭のカット。

 

紅蘭:四大元素……

 

モンタージュカット。レジオトロン、第6話の紅蘭が手に持った霊力匣(ばこ)、ゲーム中、霊力匣が転送される様子(映像)をパパパ……と表示。終了後は再び……

 

コックピットを開けられたままの紅蘭のカット。

 

紅蘭:径路(パス)……

紅蘭:……携挙……!

紅蘭:そんな……!!

氏綱:……娘よ! 錬金術と東洋魔術の融合、見事であったぞ!

氏綱:其方の次元観測機は見事だ。

氏綱:此の世の禁忌に触れる見事な発明だ!!

紅蘭:……(痛恨)

氏綱:こちら側から次元を超えて、彼の世に干渉する御業の完成……!

氏綱:この装置と、そして巫女の力があったればこそ、この時代に穴が開けられるのだ……!

 

ガシャン!!と光武のハッチ解放音とともに暗転。直後に新たなカットを表示、ギュオオオオオン!マリアが光武から降ろされ、触手に絡め取られ、高く持ち上げられる。

 

マリア:ああああぁぁぁ!!

 

氏綱:タチバナ。時の巫女よ……!

 

キュワーーーーーーーン!!と金色に発光するマリア。

 

マリア:ああああああぁぁぁ!!

 

グオオオオオオオオオン……という音とともにカット表示。氏綱の前にコックピットハッチを開け放たれたままの大神の光武が移動する。再び氏綱と大神の顔が寸前まで近づくカット。

 

大神:……!!

氏綱:借りるぞ。大神君。

 

バッ!という音ともにカット切り替え。通常戦闘画面、ゲーム盤の上に稗田の手がかざされる。

 

カーーー!!っとピンク色の閃光が迸る。

 

大神:うおおおおおお!!

 

キュオーーーーーーン!!!という霊力匣転送音ともにカット切り替え。大神機とマリアが触手で繋がれ、全体がマリアの金色の光とピンク色の光を混ぜたような光になり発光する。輪郭線っぽい部分がピンクで、内側が金色……黄色っぽければ良い。ともかく二つの力が混ざったという表現があればOK。

 

フェードでカット切り替え。氏綱の口元。邪悪に歪んでいる。稗田は氏綱となってからは目の色が変わり人外の形相となっているが拍車がかかっている。

 

氏綱:……ウス……ミル……クト……

 

カーーーーーッ!!!っという強力な光の音とともに、ピンク色の光に包まれた百鬼連幹部が順に映し出される。縦長の絵で、ググッと↑上昇しながらフレームイン。顔が真ん中に来たところで、ちょい下がり。慣性がついてるみたいな感じで、浮上している感を出すこと。

 

表情は全員目を開けているが白目になっていて、気絶している。苦悶ののち、呆けたような、痛ましい表情。

 

光の音だけでなく、ドーーーン!という、岩が大きく動く音も鳴りながらフレームインする。

 

ドーーーン!御婢子狐。

ドーーーン!水虎。

ドーーーン!迦具土。

ドーーーン!是害坊。

 

ゴーーーーウン…! と重たい鐘の音のような岩の音が響き、キメのショット。

 

中央の隆起柱にいる稗田を中心に、左上=是害坊、右上=水虎、左下=迦具土、右下=御婢子狐、の配置で、柱が隆起する。タロットカードの図案『ザ・ワールド』と同じ配置。レジオトロンの配置とも同じ。触手のうねり方なども駆使して、タロットっぽいデザインを意識して。

 

キュアーーーー!と言う音と共に百鬼連がそれぞれの色に発光する。激しく光を放つ。

 

氏綱:火、水、風、土……

 

パッとカット切り替え。白目のまま吠える百鬼連のカット。

 

御婢子狐:おおおおおぉぉぉぉ!!

水虎:あああああぁぁぁぁ!!

是害坊:オオオオオォォォォォ!!

迦具土:ぐううううううぉぉおぉ!!

 

パッとカット切り替え。再びザ・ワールドのカット。

 

氏綱:ロッド、ゴブレット、ソード、レイメン……

 

パッと稗田の口元のみをアップに。笑っていない。ボソリと呟くような様子。

 

氏綱:イェソド、マルクト……

氏綱:……

氏綱:32(さんじゅうに)

 

フェードでカット切り替え。帝都の遠景。夜の帝都。静かな美しい景色。

 

ややして……

 

ゴワアアアアアアアアアアアア!!!と遠くで地震のような音が鳴り響く。まだ音量は小さめ。そして……

 

パッとカット切り替え。と同時にゴワアアアアアアアアアアアア!!!とという地震音を大きく響かせ、ウィグルを伴ってパッパッパと帝都の景色を四~五枚見せる。地震が起こっている表現!なのでこのカット集に入った途端、激しく画面がウィグルする。

 

なお見せる場所は初代『サクラ大戦』で六破星降魔陣が発動したあと、帝都各地の惨状を見せるカットと地点、順番を一致させる。オマージュ。ただし、構図までは同じにする必要はない。例えば上野の西郷さんなども、グッと地面から見上げるようなカットで、迫力重視で。

 

氏綱:……いよいよ我らは黄泉還る……!

 

ここでマリアを通じて世界樹復活。以下、そのくだりが続く。

 

コオオオオオオオオオ!と発光音とともに光るマリアのカット。触手に持ち上げられ、大きく海老反ったような形で、上下逆さまになっている上体を描写。大きく羽を広げたように腕を広げた格好。胸が頂点で、目を閉じた状態で逆さになった顔、重力に垂れ落ちた髪の毛。天使が降臨するようにも、堕天するようにも見える、象徴的なカット。

 

スッとフェードでカット切り替え。先ほどのマリアのカットから、グッとカメラを引く。神聖な雰囲気。フォオオオオオ……。と発光音の優しい残響が響く。一瞬だが、素敵なことが起こりそうな雰囲気に演出する。

 

が、ォォォォ……と発光音が止むと……。

 

ドシャアアアアアアア!と激しい音と共に、一瞬のウィグルを伴ってカット切り替え。マリアの胸部というか腹部というか、ともかく上体から凄まじい奔流となって吹き出る触手。実におぞましい光景。

 

ドシャアアアアアアア!と同じ音と共にカット切り替え。マリアから出現した触手の海に包まれる氏綱。天外魔境Ⅱの菊五郎が似たような状況で真の姿を現すので、様子をオマージュして。ただし、こちらはラスボスなので、こちらの方が激しい絵になるように。触手の勢いもあるし。

 

氏綱:オオオオォォォォォォォ!!

 

ドシャアアアアアアア!と同じ音と共にカット切り替え。再びマリアの様子。

 

バシュゥゥン!!!とひときわ強くフラッシュで発光するとともに、カット切り替え。発光が終わり、触手が出切ったマリアの様子。

 

ガシューン!と地面に叩きつけられる空っぽの大神の光武。

 

ガシュガシュガシューン!続けて花組のみんなの機体が着地。カンナ機が大神をお姫様抱っこで助けている。おかげで大神は無事。大神は多少足を開いたり、うまく腕を回したりして、ほんとにお姫様ポーズになってしまわないように注意。ギャグではない。カンナのかっこよさだけをさりげなく提示する。その背後にはかえでをキャッチするレニ機。しばし表示した後……

 

フェードでカット切り替え。落下するマリアだがフワアアアア……と黄色い光で包まれ落下の勢いが緩やかになっている。

 

パサっという音でカット切り替え。アイリス機がマリアを抱きとめる。と、ゴゴゴゴゴゴゴ!!という地鳴りのような音とともに、そこにサッと影が差す。下から上へサッと。画面全体が暗くなり……

 

フェードで画像切り替え。

 

ゴゴゴゴゴゴゴ……と低く唸る地鳴りのような音とともに、下から見上げた氏綱=原始降魔ヨミ=世界樹の姿。世界樹であるし、クトゥルフの怪物でもある。タコの怪物にも見えるはず……。というデザインをここで恐ろしく……ある意味で魅力的に見せる。まずは花組から見上げた様子。花組からはただただ足元の一部が見える。そして……。

 

ゴゴゴゴゴゴゴ……と低く唸る地鳴りのような音とともに、カット切り替え。原始降魔ヨミの巨大な顔?を大写しで。画面からかなりはみ出しており、巨大さがわかる。鴉を配置し、大きさを比べるようにする。

 

ゴゴゴゴゴゴゴ……と低く唸る地鳴りのような音とともに、カット切り替え。今度は遠くからのカットなので、ゴゴゴ地鳴り音はグッと静かに。引きのカメラで原始降魔ヨミ全体を映し出す。足元に建物等をそれとわかる程度に配置。超巨大。絵的にはシンゴジラの一・五倍程度。約180m。

 

パッとカット切り替え。原始降魔ヨミの顔のひたい部分…?(原始降魔ヨミはクトゥルフの怪物でもあるので、機能するつもりのないような歯牙が至る所に生えひしめいており、明確にひたいとも言えないような造詣が好ましい。ともかく……)ある一部分に張り付いている氏綱の顔に遠景から二段階でパ…パ…パッとクローズアップする。巨大な原始降魔ヨミのどの部分に氏綱の顔があるのかということを説明する必要があるので、それがはっきりわかるように留意すること。

 

ヨミの顔→そのひたいのあたり…→氏綱の顔 という感じで。

 

で、氏綱の顔に来たところで、ゴオオオオオオウウウウウウンン……と静かに始まる、しかし恐ろしさを増す効果音を再生。

 

数瞬の間ののち……

 

パッと花組の様子。コオオオウ……とマリアの胸に当てられたアイリスの華奢な手。一瞬だけ光エフェクトを出して、アイリスの霊力による治療の終わり際を一瞬だけパッと見せて……。

 

パッとカット切り替え。マリアを介抱する大神とアイリスの様子。アイリスは機体を降りて来て、マリアを治療していた。背後ではカンナがかえでを介抱している。

 

マリア:うう……!

大神:マリア……!

マリア:……私は……大丈夫です……かえでさんは?

大神:無事だ。気を失ってはいるが……

マリア:よかった……

マリア:……!

マリア:……あれは……!

 

パッとカット切り替え。マリア、アイリス、大神らの後頭部。見据える先には巨大なヨミの姿。

 

カンナ:なんなんだよありゃあ……

アイリス:……

アイリス:タコ……?

カンナ:へ……タコね……言えてらぁ。

大神:……あれが……地の底にいた降魔の塊……?

すみれ:巨大な樹にも見えますわね……

さくら:ものすごい妖気……!

大神:……降魔の本体が現れるとは……

 

ゴゴゴゴゴゴゴ……と低く唸る地鳴りのような音。画面をウィグルする。

 

大神:いかん! マリア、アイリス、ひとまず光武に!

大神:すみれくん、かえでさんを!

すみれ:お任せを。

 

フェードで暗転。一瞬後……

 

コオオオオオオオオオ!!という発光音。とともにパッとカット表示。地面が濃いピンク色に光り、下側から赤い光に照らされた大神の光武。

 

大神:!! 地面が……!!

 

ゴオオオオオオオオオオオ!!!っとドスの効いた地響きのような、しかし発光音とともに、パッとカット表示。上空からのカット。地面を斜めに捉えたカット。おかしなことが起こっているということの暗喩と、スケール感の演出のために斜めにする。はるか京都から帝都までをつなぐ道路が、ドギツイピンク色……クダンのピンク色に発光する。

 

パッとカット切り替え。氏綱の顔。この先、氏綱の声に若干のエフェクトをかけ、よりゴリゴリした迫力を増す。お芝居の繊細さがわからなくなっては元も子もないので、やり過ぎないように注意。

 

氏綱:妖怪ども……屍鬼どもの行進により、経路が通じたのだ……

 

パッとカット切り替え。再び帝都上空の遠景。深川あたりの上空から西へと向かって、京都方面を望むカット。ずっと先まで東海道がピンク色に発光している。

 

氏綱:東海道……

氏綱:それこそが……イェソドからマルクトへと到る路……

 

ビシュンビシュンギュオンギュオン!!と、パズルゲーム中での霊力匣の転送音とエフェクトが、磔になった百鬼連の周りで狂い咲くかのように大明滅し続けている。

 

氏綱:全てが一本の路で繋がる……

氏綱:京から……帝都……そしてこの……

氏綱:武蔵へと……!!

 

パッとカット切り替え。氏綱の顔。凶暴な表情をドアップで。笑っていない。

 

氏綱:此の世と、彼の世を繋ぐ路……

氏綱:……あるいは……

 

モンタージュカット。最初にクダンが登場した時のドアップのカット、紅蘭のカット、クダンと紅蘭が坂道で向かい合ったカットをそれぞれ一瞬だけパ……パ……パッと表示して消す。

 

再び氏綱の顔。

 

氏綱:黄泉還るのだ……

氏綱:黄泉比良坂が……!!

 

ドオオオオオオオオオオオオン!!とココイチ不気味な音でカット切り替え。今度は上空を見上げる紅蘭の光武の後頭部!紅蘭と同じ目線で見上げるショット。物理法則を無視し、日本列島全土が反り返るように持ち上がって、関西方面がグニョーンと壁になって迫ってくる!!

 

まるで球体の中にいるような感じで、周囲の海ごと日本列島全体が湾曲して迫ってくる。関西方面が坂道の上、帝都が坂道の下になっている。赤い光の路の線は東海道そのままに京都からその先へと通じている。

 

紅蘭:……坂道……!

 

紅蘭機コックピット。魚眼レンズを通して見たようなショットで、湾曲した紅蘭が写っている。気分が悪くて嘔吐寸前のようなつらそうな紅蘭の表情。脂汗で顔全面がびっしょり。上を見上げている。わけがわからない!世界が湾曲して見えている!という気持ちの表現。

 

紅蘭:大地が……西日本が全部……持ち上がっとる……?

紅蘭:帝都が……坂の……下に……

カンナ:下……!?

 

カンナ機コックピット。同じく魚眼レンズを通して見たようなショット。が、カンナは大きく首を前に突き出し、目線は下方向に向かっている。

 

カンナ:何言ってんだ紅蘭……?

カンナ:坂の……下だと……!?

 

ドオオオオオオオオオオオオン!!と再びココイチ不気味な音でカット切り替え。今度ははるか足元を見下げるカンナの光武の後頭部!物理法則を無視し、日本列島全土が反り返るように帝都方面が持ち上がって、関西方面がグニョーンと坂道の下に落ち窪む!!紅蘭のビジョンとは違って、遥か高みにいるカンナの視点!!

 

カンナ:上だぞ……高え……

カンナ:帝都が……山の上みてえに……!!

さくら:大神さん……わたし……気分が……

 

再び紅蘭機コックピット。先ほどの魚眼レンズカット。

 

紅蘭:……はあ……はあ……

紅蘭:……の……

紅蘭:……登ってんのに……

紅蘭:……はあ……

紅蘭:……降ってる……

 

ドオオオオオオオオオオオオン!!ドオオオオオオオオオオオオン!!と再び紅蘭機からの見た目カットと、カンナ機からの見た目カットを二連続で提示。

 

ドオオオオオオオオオオオオン!!と極め付けに、湾曲したヨミの姿。実際に湾曲しているのではなく、見え方が不気味に湾曲しているということ。

 

氏綱:彼の世は遥か地の底にして……

氏綱:遥か頂上にある世界……

氏綱:昇るように、降っていく……

 

パッとカット切り替え。氏綱の顔のアップ。

 

氏綱:我が名はヨミ……

氏綱:生命の樹……

 

ここでゴーーーーーーーーーーーン!!!といつものボス表示演出。ただし場面のトーンに合わせて効果音は重量級の最悪最凶版。

 

『原始降魔ヨミ』と表示。

 

紅蘭機コックピット。再び先ほどの魚眼レンズカット。

 

紅蘭:あかん……

紅蘭:もう……無茶苦茶や……

紅蘭:うちが……観測機なんて……作ったから……

 

ドン!!とタイトル表示。『第十一話 妖怪道五十三次』

一定時間表示したのち、パッと消す。

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