サクラ大戦V妄想回顧録

夢か現か…思い入れ深く『サクラ大戦』をプレイした結果、そこでの体験がリアルなもう一つの人生経験のように感じている…そういう方々が、実はプレイヤーの中には多々いらっしゃるのではないかと思います。サクラとはそんなミラクルが生じた作品であり、わたくしもそのミラクルにあてられた一人。そんなわたくしが、かつて“太正”時代に“経験”した事を記憶が混濁したまま綴ります。今思い出しているのは1928年以降の紐育の記憶。これは新次郎であり、現代の他人であり…という、人格の混ざった記憶それ自身による、混乱した、妄想回顧録です

サクラとファンと、あの夏の日

サクラ大戦が大好きすぎて色んなことする団体”こと、サクラ大戦ファンの皆様による団体「さくぷろ」さんが、現在ストリーミングにて、サクラ大戦ファンの為のまさしく通信局と言える:配信番組『さくぷろキネキャス通信局』を配信なさっていらっしゃいます。

 

https://twitcasting.tv/sakupro_kai/movie/693348259

 

サクラファンの皆様によるサクラ愛に溢れた番組で、サクラ四方山話をファンのみんなで楽しみましょう、という大変愛らしい趣向の番組です。

 

私も先日番組宛にメッセージを投稿したのですが、大変に光栄かつ有難い事に、メッセージの紹介に添えて当ブログのご紹介まで頂いてしまいました。サクラファンの方に見て頂けたら本望です、と、余談として書き添えていたご挨拶だったのですが、ご紹介くださったどころか、有り難くもお褒めの言葉まで頂戴してしまいまして、大変に恐縮でございますし、本当に、とってもとっても嬉しゅうございました。

 

実は私自身、以前さくぷろさんが開催なさっていたサクラカフェイベントに赴いた事がございまして、その頃から大変熱いファン活動をなさっていて感心しきりでございました。

 

サクラ大戦はファンの愛が深い、という件は、例えば舞台上の演者さん等も口を揃えて仰っている事でもあり、果たして何故そうなのか、という点については、作品内外のありとある角度や事物からあらゆる事例を挙げる事が出来ますので、とても一口に検証できる事ではないのですが…

 

例えば、あの日私自身も現場にいましたけれども、歌謡ショウファイナル『新・愛ゆえに』千秋楽のその日。

 

流石に千秋楽という事で、全公演分のチケットを手に入れられなかったファンも多く、しかしあの歌謡ショウ最後の日、という事で、本当に、まさに、いてもたってもいられずとはあの心境の事でしょう、チケットを持っていないファンも、せめても時間を共有しようと、中に入る事は出来ないにも関わらず、会場であった青山劇場前に詰めかけたわけです。

 

そうしたところ、当時セガ側のプロデューサーをなさっていた中山雅弘氏が、「ホントはダメなんだけど…」と呟きつつも急遽会場外にモニターを運んできて、中の様子を、みんなで見られるようになさったという、サクラ史の伝説に残るような出来事がございました。

 

全くもって普通ならあり得ないような事が、起こっていました。中山氏の行動は最早ビジネスの枠を超えた何事かに突き動かされたものであり、それこそが真にサクラをサクラたらしめるものであるという事も、ひとつには言えると思います。

 

そしてそうした出来事、あるいはそうした表面上の出来事のもっと奥にある何事か、が、作品とファンとの絆を深め、互いに対する信頼を確固たるものにしてきたという事は、自分自身肌身で感じてきた事でもあります。

 

ですがそれは、商売ではなく心が大切、などというありがちな美談に収まり切るような話ですらなく、そもそもサクラ大戦というタイトルが、かつてセガの代表も勤められていた入交氏の慧眼によって見抜かれ引き出された広井王子氏の本音であり、かつ彼氏の善き部分、つまりは広井氏の中に受け継がれ生き残っていた戦前と戦後を繋ぐ価値観の表出点であるという、サクラという作品の根本的な心性に触れる部分であるからだと思います。

 

と、この辺りに言及していくとサクラの本質に触れる事になり全く筆が足りなくなってしまいますので、ここではここまでに致しますが、ひとつに、あの夏の日の熱さが続いている限り、ファンとサクラの絆は途切れる事はないのだな、という事を改めて感じます。

 

そしてその熱さとは、サクラという作品に宿る心根そのものの事でもあり、新しくファンになった方々も全く同様に触れることのできる熱さ、でありますから、これ程心強い事もございません。

 

それこそ番組を通して皆様の思い出話や現在進行形の感想を伺っていると、あの夏の日の熱さはまだ、続いているのだと思えますね。

 

今回は本ブログの通常の体裁を逸し、精神を太正の側から令和の側に置き、少しだけお話しさせて頂きました。さくぷろの皆様にはこの場を借りて改めてお礼申し上げます。