サクラ大戦V妄想回顧録

夢か現か…思い入れ深く『サクラ大戦』をプレイした結果、そこでの体験がリアルなもう一つの人生経験のように感じている…そういう方々が、実はプレイヤーの中には多々いらっしゃるのではないかと思います。サクラとはそんなミラクルが生じた作品であり、わたくしもそのミラクルにあてられた一人。そんなわたくしが、かつて“太正”時代に“経験”した事を記憶が混濁したまま綴ります。今思い出しているのは1928年以降の紐育の記憶。これは新次郎であり、現代の他人であり…という、人格の混ざった記憶それ自身による、混乱した、妄想回顧録です

10.シャネルNo.5 / 時代を啓くプラム・スパニエル

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そういえば、プラムさんはドリンクバーでウェイトレスをしていたわけですけど…。こう…ローラースケート靴を履いて。カーっと客席の間を華麗に走り抜けながら、品物を運ぶわけです。

 

で、印象的だったのが、プラムさんが横を滑走していくと、その瞬間、フッといい香りがするんですよ。単にいい香りというか…華やかなんだけど上品な、すごく特徴的な香りなんですけど…

 

ちなみにドリンクバーというのは、今の日本のチェーンレストランでよくあるアレではなくて…w もっとカフェバー的な場所です。リトルリップ・シアターのカフェスペースということですね。サンデーが名物で、僕も大好きでした。

 

あ、もちろん、プラムさんの香りはドリンクバーの邪魔にはなっていませんでしたよ。邪魔になる程の品のない香りの付け方は、決してなさらない方でしたから。

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《Georges "Sem" Goursat,1921》

 

ええ。シャネルのNo.5をご愛用でしたね。たぶん一般に売り出し始めた、本当に直後ぐらいだったと思います。一番最初に人気に火がついた、そう言う頃合いだったんじゃないでしょうか…。その後度々有名になったりして、今だにずっとNo.5の人気は衰えていませんけれども…本当にすごいことだなと思います。

 

だけどプラムさんは、そうやってNo.5がアイコン的な人気を博す以前に、最初に使い始めた人のひとりでしたらから、そこはやはりプラムさんというか、さすがでしたね。

 

で、たぶん他にもいくつか…彼女のお気に入りには種類があったと思うんですが…少しだけムスクなニュアンスのある香りが多かったかな…

 

あの頃はまだ、女性の香りはフローラルなものが基本で、もっと言ってしまえば、それが常識って感じでしたから…そうでなければ、モロに麝香に龍涎香に…という風でしたから、中間というか、ハイブリッドな香りを纏うのは、当時としては、かなり挑発的だったかもしれません。

 

だけど…だからこそ、その挑発的でありながら上品な香りを堂々と纏うプラムさんは、颯爽としていて、本当にかっこよかったんです。

 

今にして思うと、あの香りはそれだけで、世間の無意識の抑圧に対する、反抗になっていたような気がします。プラムさんは、ある品格を保ちながらも、新たな時代を標榜するかのような挑戦的な香りを纏うことで、古い抑圧に対して涼やかに反旗を翻していた…

 

そして…フロアを切り裂くように、ローラースケートで華麗に滑走することで、まさしく時代を切り啓いていたんだと思います。

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…そう…プラムさんの姿がいかに革新的であったのかについては、次回また、もう少しお話ししようかと思います。

 

9.プラムさんと杏里くん / リトルリップ・シアター入り口の華やぎ

そう言えば杏里くんって呼び方ですけど…最初は、吉野くんって呼ぼうとしたんです。でもシアター内ではアンリで通ってるから、名前にしてくださいって言われて…杏里くんに。吉野くんでもいいと思いますけどね…。まあ…アンリ、だと西洋の名前みたいな響きもありますしね。

 

最初意外に思ったのが…杏里くん、すごく日本語が上手なんですよ。もうほんとに、普通に日本で生まれ育ったのと同じ感じの、流暢な日本語で。

 

…そう…彼女、日系の三世ってことなんですけど。日本に行ったことはないわけです。…ええ、生まれ育ったのはシアトルで。

 

もちろん親御さんの丁寧なご教育の賜物でもあったのかもしれませんけど…それにしても、すごく賢い子なんだな…ってことは、彼女の日本語を聞いて、もう一発で伝わってくるというか、よく分かりました。…で、どうやらこれは怒らせてはいけないタイプの人だな…ってことも、同時によく理解しました…w

 

なので、初対面の時から今に至るまで、僕は杏里くんには、一切頭が上がりません。シアター内で僕に対して一番権力があるのは、おそらく杏里くんだと思います…w

 

杏里くんはまあ…とにかくちっちゃい子で。それがまた可愛らしくて、売店でも人気なわけです。She's so cute !! って言うご婦人方の声が頻繁に響いてましたね… so tiny !! っていうのが、たまに混じってて、まあその…そんなに悪気はないとは思うんですけど… 杏里くんは無視してましたね…w 今なら kawaii !! って言う人も多いかな…それはたぶん、杏里くんも喜びそうな気がします…w

 

で、プラムさんとはまさに凸凹コンビという感じで… ただ、凸凹というには、あまりに差があり過ぎるんですが…w

 

プラムさんは、いつもホールではローラースケートを履いているので、そもそもそれなりに身長が高い方なのに、より大きくなってるわけです。どのくらいかな…6フィート近くある方なので…そう、だいたい180cmぐらいですね。…で、スケート靴でより背が高くなるので、190ぐらいの人がこう…ガーッと滑走するという…w

 

杏里くんなんて、もうその半分ぐらい…は言い過ぎですけど…w まあでも、感覚的には半分ですよ。そのぐらい違う。

 

そんな二人がコンビなのは絵的にもすごく映えましたね。シアターのホワイエはあの二人のおかげで、すごく華やかになったと思います。…モギリも目立たず、いい感じだったかと…w

 

そうなんです、僕たち三人が劇場入り口の顔だったわけです。…わけですが、今写真を見返しても、だいたい僕は写ってないですね…w 杏里くんとプラムさんはよく写ってるんですけど、僕が写ってる写真はすごく少ない… 見切れてますねこれとか。

 

まあその…いいんです。それが宿命… そうですね、一族の。宿命ですし…w ええ。いいんですいいんです。その方が、華がありますから…w

 

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当時のチケットです。いくつかは、まだ大切にとってあります。いったい今まで何枚のチケットをもぎってきたのか…w 感慨深いですね…w

 

ちなみにこれは…『WILD WEST WISH』公演時のチケットです。ブロンコ・ビリーのような西部劇公演ということで、大変にヒットした公演でした。あと『W・W・W』の文字だけでデザインされた広告が非常に斬新だということで、その点でも話題になったのが印象的でしたね。あのデザインはその後いろんなところでオマージュが捧げられていますし、映画と並走する形で西部劇人気を牽引した最初期の舞台公演だったということで、後世への影響という意味でも、記念碑的な公演だったかなと思います。

 

【記事用メモ】※このエントリ間違って公開しないこと 非公開状態でメモとして使用する

・最近『サクラ大戦V』の世界でホントに過ごした気になってしまって困ることがある

・別に主人公の大河新次郎になりきってる訳ではない そんな事は恐れ多い

・帝都・巴里花組さんも好きだし、大神さんも大好きだし

 

・ただ、大河新次郎の立場を借りてサクラ大戦Vを体験したので、一部視点が混ざってしまっている

・実際には令和の時代の現代人であるのに、意識だけが架空の大正時代『太正』の人間になったつもりになってしまう

 

・その感覚によると、どうも自分は1928年以降もずっとニューヨークで暮らしていたらしい

・だとすれば、一体今何歳で、何年のつもりなのか

・そんな調子であるから、現実の歴史とサクラ大戦世界の歴史とのギャップを感じると、たまに、偏頭痛が起きることがある

 

・例えばこの世界には『ロベリア三世』というアニメはない ルパン三世があるだけである

・逆にサクラ大戦の世界に『スター・トレック』が存在しているのかどうかも分からない 先日記事に引用してしまったのだが

サクラ大戦の世界では第一次大戦のことを単に『欧州大戦』と呼んでいる。これはつまり、第二次、がないからだ

サクラ大戦の世界では『第二次世界大戦』は起きていない

 

・つまり大東亜戦…太平洋戦争はなかった

・日本はその日本的なビジョンを、大東亜戦の意義という形ではなく、オリンピックの開催という形で、現実の歴史よりも早く世界に示せた

・1964年まで東京オリンピックの開催がずれ込むという、悲しい歴史は辿っていない

 

東京オリンピックが開催されたのは、当初予定されていた通り1940年である

・大戦が起こっていないのだから、日本が敗戦することもない

・つまりは、アメリカの喧伝による「戦後復興」という偽りの美名の元に、アメリカ式価値観が日本を侵略してしまうこともない

 

・しかし令和の世では、アメリカ式資本主義がまかり通っているという

・そのようなことであれば、むしろその敗戦後の経済戦争こそ、最後に日本がその有り様をかけて戦った、サクラ大戦の名にふさわしいのでは、と、これは広井王子氏自身がそう言っていた。サクラ大戦とは、そういう作品だったのだ

 

・要は明治の時代に爆発的に増えた商社、貿易会社という会社組織が敗戦後、完全にアメリカ式資本主義に取り込まれ、さらにそれを手本として大小の会社組織が起こり、あまりに世の中に企業体が増えすぎたらしい

・結果、会社組織がなければ現代社会は立ち行かない…というレベルの、考えるだに恐ろしい、強烈な思い込みが生まれてしまったという

 

・もはや別の姿やあり方の社会を、その可能性すら想像できないという、恐ろしい状況にある

・そして会社組織は組織そのものを守るために、人々に薄給で長時間労働を強いているという

・増えすぎただけで実際には文化的に何の意味もない、経済を回すためだけの会社組織がごまんと存在しているのに、そのために、人々が過酷な労働を強いられているというのだ

・『最初は人のための組織だったはずが、組織というものは、ほんの少しでも気をぬくと、すぐに組織のために人を使うようになる』これも広井王子氏の言葉であり、鮮烈な指摘だと思う

 

・そんな世界など御免である

・例えばかつての、成熟した江戸期のように、少しの労働で数日間は十分に遊べるだけの額が手に入り、人々が文化的に豊かに暮らしていたという状況こそが、正しく、望ましい世界であるはずである

産業革命前の物質レベルに於いてであるとは言え、実際にそれは成り立っていたのだから、長時間労働をしなければ生きていけるだけの額が手に入らない、という世界は、多くの人々の思い込みと、既得権益の力学によって保持されているだけだ

 

・きちんと大人が芝居を観に行き、昼間から映画を観に行き、友と家族と多くの時間を過ごし、旅をし、本を読み、食を楽しみ、十分に有り余る時間で人生を謳歌する、この世界こそがあるべき形のはずである

・経済一辺倒型資本主義いう形でなくとも、十全に社会は回るという形を世界に示す、それこそが日本の重要な役割だった

社会主義と資本主義の対立の話などではない。それよりもさらに別の形を示すことができる国こそが、この日本だったからだ

・それはつまり、物質的アメリカ型資本主義に浸り切る事なく、その他の可能性を保持したまま文化を成熟させて来た日本の姿だ

 

・欧州大戦以降の歴史で、それは可能になった

・物質的豊かさ以上に、文化的豊かさや、心の有り様を大切にする、日本が培ってきたビジョンが、アメリカ的価値観以上に世界に浸透したのだ

 

・しかし、彼の世界、架空の世界では、経済を循環させ続ける事が社会構成の根本原理であるという思い込みが蔓延しているようである。それこそが、彼の世界がいかにディストピアであるかの象徴である

 

・スターの整備をしなくてはならない。蒸気圧の安定と、温度上昇の効率をさらにあげるアイディアがある

・当然これも楽しみのうちだ。仕事である以上に、楽しみだからやっている

・無論のことだが、メカニックのみんなは全員が機械好きだし、僕も最近ホビーとして始めている

・舞台の企画会議もある

・今度は、正義のチーム強盗ものなどどうか 痛快なケイパーものは星組にはバッチリだと思う

・架空の世界のことを考えている暇はない

 

・架空の世界と言えば “平成” という時代は、穏やかそうな名前に反して、あまりに辛いことが多かったらしい 世紀末でもあったし、何と言ったか泡沫恐慌が起こり経済的にも逼迫し、その空気にみんなが当てられてしまったという悲惨な設定だった

 

・ただ “令和” という名前の、響きは良い 良い時代になりそうな、涼やかな、優しい名前だ 

 

・この世界のように、大人たちが本気で遊べる社会が築かれているのであれば、たまには、蒸気ではなく電気の発展した、美しき “令和” の世界を夢想し、遊んでも良いと思う

 

メモ

・ポップコーンマシンの修理、忘れないこと

・公演ポスター 8/31まで掲示

・9/1より次回公演『ロデオザマスタング』 ポスターデザイン確認済 要デザイン微修正

・デザイン修正案 ジェミニ用の最新版マスクデザインとロゴのデザインを連動させる

 →できたらムッチャかっこいい! グッズにも反映すること

・ロベリア三世TV再放送録画 リカに渡す